「三大疾病」って何だかご存じですか?
2020.7.29新型コロナウイルス感染症が大流行している中、長期の入院に備えた医療保険などは販売好調なようです。
そもそも「三大疾病」って何だかご存じですか?
死亡する原因の上位3つ、と答えたあなた。実は違います。順番にお答えしましょう。
まず、一つ目は言わずと知れた「がん」になります。悪性新生物と言われる「がん細胞」が増殖し、正常な人間の機能が失われていく病です。
二つ目は「心疾患」。心臓に伴う病で、心筋梗塞や狭心症、大動脈瘤などが有名です。
三つめは「脳血管疾患」。脳の病で、脳梗塞や脳内出血など、多岐にわたります。
死亡する上位3つには、実は「肺炎」が入り、「脳血管疾患」は外れます。高齢化に伴い、「誤嚥(間違って食べ物を気管に入れてしまうこと)」などを原因とした「肺炎」が増えていることが原因です。
ただし、「三大疾病」は、「がん」「心疾患」「脳血管疾患」の3つを言うことに変更はございません。
上記3つの病気は、身体に障害が残るなどで、治療に時間がかかります。入院の長期化や就業不能(お仕事に行けない・お仕事が出来ない)期間が長期化することも度々あります。
各保険会社では、この「三大疾病」にターゲットを当てた死亡保険や医療保険、がん保険など多数の商品を販売しております。
さて、「私は、三大疾病の保障に入っているから安心だわ」と思われた方。危険かもしれません。実は、保険会社が言う「三大疾病」は各社違う定義であることをご存じですか?保険会社の「三大疾病」の定義は、「がん(上皮内新生物を除く)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」であることが多いのが現状です。では、この「三大疾病」について、勉強してみましょう。
まず、「がん(上皮内新生物を除く)」については、上皮内新生物とは何か?を知らなければなりません。上皮内新生物とは、「がん」が筋肉質まで達していない、超初期のがん、と考えてください。皮膚がんの初期などが対象となることが多いです。
つまり、がんのステージが進まない限り、この保障は使えませんよ、ということです。
続いて「急性心筋梗塞」です。これは「心疾患」のうち、数%程度しか対象となりません。「慢性」ではダメですし、よく聞く「狭心症」などはもちろん対象外です。
最後に「脳卒中」です。こちらも「脳血管疾患」のうち数十%しか対象となりません。
また、ご加入中の保険の対象が「心疾患」であったとしても、よくよく読むと「入院〇日以上」という規定があったりしますので、ご自身の保障を今一度、ご確認ください。
せっかく備えたつもりが、保険会社の規定で対象にならない、ということになり、「ふざけるなー!」と残念な結果を生まないよう、ご注意ください。
BY ザビエル小浜